自社で動かすAIエージェントが、夜間に延々とツールを呼び続けて請求額だけが膨らむ。自走型の業務エージェントを導入した中小企業で起きやすい問題です。max_tokensは1回の応答を切る道具で、ループ全体の消費は止められません。この穴を埋めるのが、ベータ提供中のTask Budgetsです。
Task Budgetsとは何か
Task Budgetsは、エージェントループ全体で使えるトークン量をClaudeに伝える機能です。最小値は20,000トークンです。
Claudeには残量のカウントダウンが見えており、予算が減るにつれて作業の優先順位を付け、終盤は調査結果の要約などで締めくくります。対象は思考、ツール呼び出し、ツール結果、出力のすべてです。
設定はoutput_configにtask_budget(typeは"tokens"、totalに総量)を追加し、ベータヘッダーtask-budgets-2026-03-13を付けるだけです。64,000トークンの設定例が公式ドキュメントにあります。
max_tokensやeffortとは何が違うのか
max_tokensは1リクエストの強制上限、Task Budgetsはループ全体の助言的な目標値です。両者は独立しています。
Task Budgetsは「ソフトな目安」であり、途中で止めるほうが危険な操作中は超過することがあります。費用の天井を保証したい場合は、max_tokensを併用してください。
effortとの役割分担も押さえておきます。effortは各ステップの思考の深さ、Task Budgetsは作業全体の量を調整します。effortの使い分けはExtended Thinking設計指針も参照してください。
予算はいくらに設定すべきか
予算は、まず予算なしで実測し、タスク別の消費量のp99を起点に決めます。20,000未満は400エラーです。
手順は次の3段階です。
- 代表的な業務タスクを予算なしで流し、ループ内の
usage.output_tokensとツール結果のトークン数を合計する - 分布のp99を初期値にして、挙動の変化を確認する
- 結果を見て上下に調整する
厳しすぎる予算には副作用があります。タスクに対して明らかに足りない場合、Claudeが着手を断る、範囲を絞る、途中で止まるといった挙動を示すことがあります。想定外の拒否や早期終了が出たら、他のパラメータを疑う前に予算を引き上げてください。事前見積もりにはトークン事前カウントAPIも使えます。
運用で注意すべき点は何か
予算は初回に1度だけ設定し、毎回書き換えないのが原則です。値を変えるとプロンプトキャッシュが効かなくなります。
運用上の注意は次のとおりです。
- 残量の値はAPIレスポンスに含まれない。自社側の集計が必要なら、ループ内の使用量を足し上げる
- 履歴を毎回再送する構成で
remainingを自前で減らすと、モデルに過少な残量が見え、早く切り上げてしまう - 自前で履歴を要約・書き換える場合のみ、消費済み分を差し引いた
remainingを渡す - Sonnet 5、Opus 4.6、Sonnet 4.6、Haiku 4.5は非対応。Claude CodeとCoworkでも使えない
反復回数やタイムアウトなど他の制御との組み合わせはループ実行制御の設計にまとめています。運用の仕組みづくりはKuuの運用管理サービスでも支援しています。
参考
まとめ
Task Budgetsは、エージェントの費用暴走を抑える第一歩です。ただしソフト上限なのでmax_tokensとの併用が前提です。
最小20,000トークンから、実測のp99を起点に設定し、max_tokensで天井を固めてください。ベータ機能のため仕様は変わりえます。導入設計に迷う場合は、Kuuにご相談ください。
